ほんとのキミを、おしえてよ。
「言っとくけど、離さねーから。嫌ならこれに懲りてもう勝手に行動しないこと」
嫌じゃないです、むしろご褒美です。
抱きしめてもらえるならまた無茶しようかな、なんて絶対言えないけど。
しばらくこのままでもいいって、そんな風に思っちゃうのは私が五十嵐くんのこと好きで好きで仕方ないからだと思う。
「はい……もうしません、多分」
なんて思ってもみないことを言ってしまう。
はあ、と五十嵐くんがため息をついて私の身体を解放する。
もうちょっとこのままでいたかった。なんて言ったら、きっと五十嵐くんに引かれちゃうよね。
腕に残る温もりと、きつく抱きしめられたせいで出来た制服のしわ。
もうちょっとなくならないで、欲しいな。
「まじで何で勝手なことすんの?いつもそうだよな。中村さんって気づいたら止める前よりに先に動いてる、ッチ」
い、今五十嵐くんが舌打ちした!?
どうしよう、そこまで怒られるのは想定外過ぎたよ!
と、とりあえず謝っておこう、かな……
「ご、ごめんなさい。五十嵐くんが辛そうだったからつい、何か出来ないかなって」
「本当、勝手に勝手に動いてばっか」
前髪の間から覗く目がギラリと光ってる。
ここまで感情露わな五十嵐くんって、初めて見た。
私は、それだけのことをしちゃったんだ。