不機嫌な恋なら、先生と
「先生にキスされて、それで、先生に告白しようとしたら止められて、俺が言うからって言われたから、両思いなんだって思っちゃったんです。
でも、卒業式の日に公園に行ったら、先生と彼女が一緒にいるところを見ちゃって、ああ、私の勘違いだったんだって、きっと彼女を紹介して、私を諦めさせたいんだって、気づきました。
思い上がりな自分が恥ずかしかったし、先生も冗談でも気を持たせるようなこと言うのはひどいって怒りにも変わってしまって……だから、先生には二度と会いたくなかったんです。
偶然、再会した時もどうせもう会うこともないと思ったから、知らないふりをして、なかったことにしたかったんです。
まさかこうして一緒に仕事をするとは、思わなかったし。本当にごめんなさい」
「あの時、公園まで来てたんだ?」
こくりと頷いた。そっかと呟いてから、先生は口を開いた。
「誤解してるから言うけど、あの時、もうあの彼女とは別れてたよ」