イブにあいましょう
紀章さん、いるかな。
朝早い到着だったから、渋滞に引っかかってないかな。
それとも・・・いや、来てくれてる。絶対に。

期待と不安が入り混じる中、入国審査を終えた私は、スーツケースをゴロゴロ引っ張りながら、ゲートの方へ向かった。
そして自動ドアが開いた途端、正面にいた紀章さんと目があった。

やっぱり。正面陣取って待っててくれた!

私は、はやる気持ちを抑えながら、紀章さんがいるところへ、速足で歩いた。

「おかえり」
「ただいま・・・」

ニッコリ笑顔の紀章さんと見つめ合うこと数秒。
彼は、私の肩にある、長い髪にそっと触れると「早かったな」と言った。

「早く帰りたかったから飛ばしてもらったの」
「そりゃすげーな。荷物、これだけ?」
「うん」
「よし。じゃ、行くか」
「うんっ」

紀章さんは、私のスーツケースを右手でゴロゴロさせて、左手は私の右手を繋いでくれて。
私たちは、二人並んで一緒に歩いた。

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