イブにあいましょう
「そばはこれでよし・・・ねえ紀章さーん」
「ん?」
「鶏肉とねぎ入れてもいい?」
「任せる」
「あとは、出汁ある?」
「粒のヤツならあるよ」
「ぅん、上等上等」

こんな会話を紀章さんとしていることや、彼が持ってくれてるカートに、私が選んだ食材を入れていくこと、何もかもがとても嬉しい。

「あー、ここは俺が払うから」
「え。でも・・・」
「大体おまえ、財布持って来てねえだろ」
「・・・あっ!」

しかも言われて今気づくとか・・・私の、アホ!

「まだ私、時差ぼけ中かなっ。あははっ・・・ごめんなさい。ではお言葉に甘えて」

愁傷に謝った私に、紀章さんはブッとふき出しながら、私がかぶっている帽子をヨシヨシするように撫でてくれた。

「なんかさ」
「ん?なに?」
「今の俺たちって、あの頃よりも自然に夫婦、してるよな」
「・・・うん、そうだね」

ホント、今の私たちは、ごく自然なカップルに見えると思う。

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