Snow globe
「かの、いい加減帰ろ?急いでたから薄着でほんとに寒い。俺死ぬよ」


「え、死んじゃだめだから!」


「全てはかのが悪いんだ。場所何処だか分かんないし」



あんな、『けいくんのことが好きです。待ってます。』だなんてわかる訳がない。


場所のヒントなんて全くなかったけれど、帰ってきてないのは分かっていたから家じゃないのはわかった。


それに、時間だって気づいたの11時過ぎてたし。



「えー、分かってよー。それってメモしか見てないでしょ?スノードームもちゃんと見なきゃ」


「は?スノードーム?」



何で、こんなところでスノードームが出てくるんだ。


だって、あのスノードームはただの公園に雪が降って……。



「そりゃないよ、かのさん……。まさかそうだとは思わないよ」


「この公園はよく遊んでた所だったから遊具みてわかるかなぁって思ったんだけど、やっぱりわかんないか。一様手作りで似せたんだけどなぁ」



不貞腐れながらもいじけるかのは、頬を膨らませていて思わず突っつきたくなった。



「ちょ!ま、結局は見つけてくれたからいっか!」


「見つけられただけ奇跡だよ。かの、もういい?帰りたい」



俺はとにかく、この寒い場所から帰りたかった……。




✱end✱
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