Snow globe
「けいくんけいくん!雪!」



隣で楽しそうにはしゃぐかのにつられて上を見る。


白くて軽いそれは、手を伸ばしても手の上には残ってくれない。



「良かったな、ホワイトクリスマスになって」



朝言ってたことを思い出して言うと、かのの目が見開いた様に見えた。


俺だってその位覚えてるから。


けれど、そんな姿さえ可愛く思えてしまうのだから本当に恋は怖い。



「……覚えてくれてたんだ。でもね、ホワイトクリスマスになったことよりもずっとずーっと、けいくんと付き合えたことの方が嬉しいよ。それが何よりのクリスマスプレゼント!」



あー、もう。


本当心臓に悪いからやめてくれ。



「うん、俺も」



同じこと思ってるなんて反則。


しかも不意打ちだなんて更に反則だし。


またかのを抱き締めて、赤くなったであろう頬を隠す。



「あ、けいくん照れてる!?」



どうにかして上を向こうとするかのの頭を抑える。


絶対に見せられないし、こんな顔……。


次第に諦め始めたのか、抵抗をしなくなってきたけれど、その時にはもう俺も治まりつつあったから普通に離した。
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