*木曜日の 6時限目
「はるる危ない!!!!!!」
突然の声に我に帰って目を開ける。
次の瞬間、「バンッ」と音がしてあたしは椅子から落ちた。
「っ痛い…」
誰かが投げたボールがすごいスピードであたしに当たった。
「はるるごめんっ…」
「全然大丈夫大丈夫!!!」
あたしにボールを当てたのは美優だった。でもわざとじゃないから、痛かったけどしょうがない。
「おい。大丈夫か??保健室行こう。」
走ってこっちに来た陽斗先生は息を切らしていた。
「大丈夫だよ。行かなくてもこれくらい平気です。」
「腕擦りむいてるぞ。」
陽斗先生に言われて初めて気がついた。当たったお腹が痛くて気がつかなかったんだ。
「血出てる…。痛い笑」
「ほら行くぞ。早くしろ。」
そう言うと陽斗先生は何故かあたしの前でしゃがんだ。
「え???」
「足痛いんだろ??背中乗れ。」
え、おんぶ??恥ずかしすぎてそんな事できないよ…。
「あたし重いし!!!足もう大丈夫だからケンケンして行くから大丈夫です!!!」
「いいから。俺の言う事聞けよ」
「でも…」
「いいから。」
「…はい。」
先生の背中にくっついて、ひょいと持ち上げられた。
何故かドキドキした。
心臓の音が先生に伝わってしまうんじゃないかと思ってまたドキドキした。