恋愛図書館
11月



秋は寂しい…

とは、よく言ったもので。
それなりに根拠もあるらしく。


木枯らしが吹き始めた11月。



なるべく考えないように、
むしろ必死に忘れようとしてたのに…

ふと自ら、去年の今頃の思い出を辿る。









「あと、シューズボックス!
確か備えられてなかったよね!?」


イタリアンレストランで働き始めた俺は、
さっそく同棲出来る部屋を借りて…

キミと一緒に必要な家具を買いに来てた。



「…何の計算?」


目星を付けたシューズボックスを開けて、落ち着かない様子で何かを数えてる結歌。


「待って!何足入るか数えてるからっ」


「いやっ…
最大18足って書いてるけどっ」

笑いを堪えながら突っ込むと。

キミはそんな自分に吹き出しつつも我慢して、恥ずかしいのかサラッと流す。


「じゃあ足りるよね!それとも他のにする!?」


「いや結歌、可愛いなっ。
しっかりしてる割に、変なトコで天然なんだ?」
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