御曹司と溺甘ルームシェア
売り言葉に買い言葉。

寧々に約束させフッと笑う。

「あっ……」

俺にいいように乗せられたと気づいた寧々は、悔しそうに歯軋りした。

「ひーびーとー!」

憎らしげに俺を見る寧々に、俺は落ち着いた様子で告げた。

「集配でメール室を出る時はお前も帽子被れよ」

「どうしてよ?」

急に話を変えられ、寧々は首を傾げる。

「作業着着てても、お前目立つんだよ」

多分、ボロを身に纏っていても、寧々の綺麗な顔は人目を引くだろう。

「別に派手な事なんてしてないじゃない」

意味がわからないっと言った顔で言い返す寧々に、俺は自分の本心を伝えた。

「お前の綺麗な顔を他の奴には見せたくない」

それは俺の独占欲。そして……俺の我が儘。
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