御曹司と溺甘ルームシェア
目玉焼きを作ろうとすると、『ずっと強火だとこげるだろ。お前、少しは頭使えば?』と冷ややかな声が飛んできて、フライパンで響人の頭を叩きたくなった。

ご飯を炊こうとすれば、『お前、いくら無洗米でも水を入れないとご飯は炊けないだろ!』と怒られた。

『今まで料理なんてやったことないだから仕方ないでしょ!文句言うなら、料理上手な女と結婚しなさいよ』

そう逆ギレすると、響人は諭すような声で私に言ったのだ。

『俺だって料理くらい出来る。奥さんを家政婦にする気はない。でも、自分の子供のお弁当も夫や家政婦に作らせるのか?』

子供?

響人の落とした爆弾に私はかなり狼狽えた。

だって……自分が子供を産むなんて考えた事もなかったから……。

でも……響人の子供ならかなり美形だろうな……って、何乗せられてんのよ、私!

『寧々と俺の子供ならかなり可愛いと思うけど』

響人はニヤニヤしてかなり楽しげだった。

『大丈夫。俺、オムツだって変えたいし、ミルクもあげたいし、ちゃんと寧々をフォローするよ。お前のとこみたいに双子っていうのもいいな』
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