御曹司と溺甘ルームシェア
『何勝手に妄想してんのよ!』

『あっ、でもその前に寧々の妊婦姿か。綺麗だろうなあ』

私を見る響人の目が妖しく光った。

『料理の前に子作りする?』

こういう目をしてる時は危険信号。逆らうとろくなことがない。

『わかったわよ!やればいいんでしょう!や・れ・ば』

私が降参すると、響人は口角を上げブラックな笑みを浮かべた。

『じゃあ、これから毎日朝食作れよ』

この悪魔!

私を家政婦にする気でしょう!

心の中でしか罵れなかった私。

日曜日も今朝も響人に叩き起こされ、朝食を作った。

しかも、今日は響人の早朝会議の関係で六時に起こされ、かなり眠い。

会社に出勤してメール室のドアを開けると、始業時間より三十分も早いのに明生君がいた。

「明生君、おはよう」

すでに作業着姿の明生君は、新聞を部署ごとに仕分けしていた。
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