御曹司と溺甘ルームシェア
11、想いを伝える ー 響人side
「寧々？」

声をかけるが、彼女は気を失ったのかもう目を開かない。

殴られた頬のあざが痛々しくて正視するのが辛い。

こんな事が起こるなんて全く予想してなかった。

臨時の部課長会議が終わり、成介に声をかけられ寧々達を迎えに行けば、寧々は知らない男に暴行を受けていた。

彼女の姿を見てすぐに駆け寄る。

相手は二人いて、もう一人の男は翔が対峙していた。

ののちゃんを守らなくてはならないし、翔も寧々まで助ける事は出来なかったんだろう。

すぐに寧々に暴行を加えている男の襟をつかんで寧々から引き剥がすと、男が俺に襲いかかる前に男の腹部に蹴りを入れて黙らせた。

これでしばらくは立てないはずだ。

小さい頃から護身術のために武術をいくつか習っていたし、どこを狙えば相手が屈服するか熟知している。

寧々の元に行くが、彼女の顔に出来た傷を見ると、怒りで我を忘れそうになった。
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