御曹司と溺甘ルームシェア
「……高木、いつまでも好き勝手出来ると思うなよ」

響人のお父さんは高木さんをギロッと睨み付け捨て台詞を吐くと、メール室を後にした。

完全に響人のお父さんが貫禄負けしている。

役職上は高木さんの方がかなり下っ端なのに、これじゃあ逆だよね。

高木さんって……どっかで見覚えあるって思ってたんだけど、やっと思い出した。

会長の隣にいつもいたじゃない。多分、会長の秘書だったんだろう。だから、響人のお父さんも頭が上がらないのかも。

高木さんがメール室の室長で良かったかもしれない。

高木さんが時計をチラリと見ると、ちょうど十二時を知らせるチャイムが鳴る。

「さあ、みなさんもうお昼です。食事に行ってくださいね」

高木さんが優しい顔でニコッと微笑むと、私は彼の目を見て頷いた。

「ののちゃん、お昼御飯食べに行こう」
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