御曹司と溺甘ルームシェア

「明日はクリスマスイブだし、このホテル、カップルで予約一杯になるだろうね」

岡田の言葉にハッとする。

「……明日がイブだったっけ？早いわね」

今年は自分の身にいろいろ起きて、クリスマスどころじゃなかった。なんかもう他人事だ。

自分の婚約だってどうなるかわからないのに。

「今日は急にごめんね。ののちゃん、岡田がいなくて大丈夫かな？」

私はマスクを外すと髪で頬の傷を隠し、岡田に謝った。

「帰る時は普通だったし、大丈夫だと思うよ。家には母もいるし、伯父さんはいつもあんなだしね。お礼を言うのが遅くなったけど、昨日はののを守ってくれてありがとう。寧々ちゃんに怪我させちゃって本当にごめん」

今度は岡田が私の目を見ながら真摯な態度で謝罪する。

「ののちゃんや岡田のせいじゃないよ。見苦しいもの見せちゃってごめん。それに、私もののちゃんと一緒ならもっと慎重に行動すべきだった」