御曹司と溺甘ルームシェア
私が手で傷を隠すと、岡田がフッと笑った。

「ん?どうして笑ってるの?」

「ごめん。僕達謝ってばっかりだと思ってねって……また『ごめん』って言っちゃったな」

「本当ね」

私も岡田につられてクスッと笑う。

「寧々ちゃん。傷隠さなくていいよ。寧々ちゃんはそのままでだって凄く綺麗なんだから」

岡田の言葉に私は一瞬固まった。

この天然女ったらし。こいつ……誰にでも優しいからな。

「岡田は……自然体でそんなキザな台詞さらりと言うんだもん。響人よりも質が悪いわよ。私が岡田に惚れたらどうするの?」

私は岡田に恨みがましい視線を向ける。

「それは凄く興味深いけど、響人がかなり妬くだろうね。僕は寧々ちゃんなら大歓迎だけど、寧々ちゃんが僕じゃダメでしょ」

「あら、岡田は顔が綺麗だし、私は結構気に入ってるわよ」

「じゃあ、試してみる?」
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