御曹司と溺甘ルームシェア
そんなんだから会社が傾いて冷泉に漬け込まれるのよ。

私が父に冷ややかな視線を投げると、冷泉がにっこり微笑んだ。

『よく承知してますよ』

『響人、本当にいいのか?お前のボランティア精神には感服するが、やめるなら今だぞ。こんな高飛車女、ぎゃあぎゃあうるせーだけだし、お前ならもっといい女選べるだろうが』

鷹頼が哀れむような目で冷泉を見て肩をポンと叩くと、冷泉は涼しげな声で答えた。

『じゃじゃ馬なら上手く調教すれば何の問題もない』

‘’一人では何も出来ない‘’、‘’ボランティア精神‘’、‘’調教‘’だあ?

ブチッと私の頭の中で何かが切れた。

「ちょっと、そこの三人!本人目の前にして何好き勝手言ってんのよ!」

声を大にして抗議したのに、父は私の存在をスルーしてまた冷泉に深々と頭を下げた。

「申し訳ないが宜しく頼むよ。本当にこんな娘ですまない」

……娘の事より、もっと会社の話をしたらどうなのよ!
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