御曹司と溺甘ルームシェア
ののちゃんを側で見守っている岡田を尊敬してしまう。

兄としては大事な妹の願いを叶えてあげたかったのだろう。

岡田の家は裕福だし、ののちゃんは働く必要なんてない。

でも、ののちゃんは岡田のように働きたかったのだろう。

メール室の彼女はとても生き生きとしていた。

「ののね。お友達が欲しかったんだもん。家にずっといたってつまんないでしょう?それに、ののくらいの年になるとみんなお仕事するんだよ」

ののちゃんは口を尖らせる。

こんなちょっとした仕草も可愛い。

ののちゃん、男の子にモテるんだろうな。だから、岡田が毎日送り迎えしてるのだろう。

変な男に絡まれたら大変だ。

岡田が仕事でどうしても無理な時は、あの金髪男がののちゃんをタクシーで送っていくらしい。

金髪男も今日の様子からすると、ののちゃんにはかなり甘い。

「そうだね。ののちゃんは人と話すの好きだよね」

助手席に座っている冷泉が後部座席にいるののちゃんを振り返り、優しく微笑む。

何この笑顔。
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