御曹司と溺甘ルームシェア
「私の未来に乾杯!」

冷泉が悔しがる顔を思い浮かべながら、グラスを高く掲げて一気に飲み干す。

「うわっ、渋い」

顔をしかめるが、またすぐに二杯目を注いで口に運んだ。

不味くても全部飲み干してやる。

今日一日でいろんな事があった。

婚約者にされるし、クレジットカードは止められるし、働かされるし……散々で最悪な一日。

思い出すだけで腹立たしい。

これは私のささやかな復讐だ。

「冷泉には飲ませてやらないわよーだ」

ボトルを全部あけると、私は完全に酔い潰れ意識を手放した。
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