御曹司と溺甘ルームシェア
最初はどうなるか心配だったが、彼女は自分の仕事を責任持ってやるし、彼女がいる事で周りが明るくなって社員には良い刺激になっている。

退屈な接待の後、こいつと一緒に社に戻り夜の十一時三十分近くまで仕事をした。

「何が?」と表情を変えずに聞けば、「寧々ちゃんだよ」とこいつは笑って答える。

「知ってた?響人、ここ最近たまに思い出し笑いしてるよ」

「それは、これからどうやって寧々をしつけるか思案してたんだ」

正確には寧々をどう俺に慣れさせるかだが……。

野々宮寧々は俺の親友ー鷹頼の姉で俺の同級生。高飛車でプライドが高い女だが、小学生の頃から女子には人気があった。

目鼻立ちのはっきりした綺麗な顔。絹の糸ように綺麗な茶髪。雪のようにきめ細かい肌。女優顔負けのあの容姿に憧れる女子は多かった。

それに、女子のリーダー的存在で、寧々は不良グループから女子を守っていた。頭が良いとはお世辞にも言えないが、外見と違って意外に面倒見のいい性格は俺も気に入っている。
< 77 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop