クールな社長の甘く危険な独占愛

あっというまに、さつきは流される。抵抗する間もない。
ほんの少しの戸惑いを残しながらも、キスのその先を想像させる、そんな口付け。

「……社長、どうしてこんな」
さつきは繰り返されるキスの合間に尋ねた。

「好きなんだ。他になんの理由がある?」
社長は慣れた手で、さつきの結わえた髪を解き、耳の後ろに指を這わせた。

誰をも酔わせられるキス。すごくうまい。
社長は、たくさんの女性と遊んできた人。

さつきはぐいっと腕で社長を押しのけた。

「きっと勘違いです」
さつきは社長を見上げた。メガネの奥の綺麗な瞳を見つめる。

「取られたおもちゃを取り返したかっただけ。だいたい、わたしのどこがすきなんです? 言えないでしょう?」

社長はちょっと驚いたような表情をして、それからさつきを抱いていた腕を緩めた。

「どこが好きかって言われると、わかんないなあ」
「……でしょう?」

さつきは勢いよく言った。

社長はソファに腰を下ろし、長い足を組む。それからメガネを取って、背もたれに腕を伸ばした。

「でも、いつでも、さつきのことを考えてる。ずっと頭の中にいて、気になって仕方がない。女とキスするなんて、遊びの一つでしかなかったけれど、今はさつきとしかキスしたくない。本当は会社でも」

社長がシャツのボタンを外し、髪をかきあげる。
「ずっと触っていたい」

さつきを見上げた。
「これは、すきってことじゃないの?」

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