彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
「…食事しに行こう」
「…あ、はい。…あの、黒澤社長、私を運んでくださったんですか?」

タクシーに乗ったまでは記憶があるが、その後は全くない雪は、琉偉に問いかける。

「…徹夜だったしな、疲れて当然。一応起こしたけど、起きなかったから、ここまで運んだ。でも、白井さんは軽いから、何て事なかった」

そう言って微笑む琉偉に、雪は肩をすくめた。

「…昨日から、助けられっぱなしですね、秘書の私が黒澤社長を助けないといけないのに」

そう言って俯いた。

すると琉偉が、雪の頭を優しく撫でた。

「白井さんはよく頑張ってくれたよ。今回、白井さんのフォローがなかったら、社長の株は下降してただろうね」

そう言って笑う琉偉に、雪はまた救われた。

…仕事をしてる琉偉の姿も、プライベートの琉偉も、本当に素敵な人だ。

琉偉はどんな時も、黒澤琉偉社長だと、思わずにいられない雪だった。

…レストランで食事をして、部屋に戻りレディーファーストとでも言いたいのか、雪に先にお風呂に入るよう促した琉偉。

…生憎、突然の出張で着替えはないので、コンビニで下着とストッキングは買ったが、パジャマはないので、バスローブを羽織り部屋に戻る。
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