彼は黒で彼女は白〜俺様社長の甘い罠〜
…結局、事態が収束したのは、次の日の午後。雪の為、その日の飛行機は飛べなくなった。

今後のスケジュール調整は、本社にいる課長がしてくれた。

「…黒澤社長、お疲れ様でした。今日はもう、雪で飛行機が飛べないそうです」
「…そうか、白井さんもお疲れ様。流石は女性だな。工員達が礼を言ってたぞ」

「そんな、礼なんて…私は私がてきる事をしただけで…あ、今夜は飛行場近くのホテルを手配しました。明日には飛行機も飛ぶと言ってましたので、チケットの手配もしてあります。ゆっくりお休みください」

「…ありがとう」
「…いいえ、私の仕事ですから」

工場から、ホテルに向かう車の中、徹夜のせいか、雪はうたた寝してしまい、琉偉の肩にもたれかかってしまっていた。

だが、琉偉はなにを言うでもなく、雪に肩を貸していた。

…雪が気がついたのは、夜になってからだった。目を開けた雪の目線の先に、琉偉がスマホを見ているのが映り込み、飛び起きた。

「なんで⁈」
「…起きたか？…二部屋取っていたんだが、この天候だ。部屋を探す人でごった返してたから、俺が勝手に一部屋にした」
その言葉に、雪は目を見開いた。

仕方がないとは言え、今夜はこの部屋で琉偉と二人きり。

緊張してしまう…
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