二十年目の初恋
二十年目の再会 2
「嘘だろ? 俺、同じバスケ部だったから色々聞かされてたんだぞ」

「なにを?」

「デートしたとか……その……キスしたとか」

「二人だけで会ったこともないのに、どうしたらキス出来るの?」

「本当なのか?」

「今さら言っても信じてもくれないでしょうけど……」

「いや、信じる。でも先輩なんでそんな嘘を……」

「そんなこと私が知ってる訳ないでしょう。悠介こそ、マドンナにセマッテたんでしょう?」

「俺がなにを?」

「彼女、言ってたわよ。お友達でいたいのに、それ以上を望まれても困るって」

「ちょっと待て。彼女がそう言ったのか?」

「他に誰が言うのよ」

「どういうことだ。分からん……」

「なにが分からないの?」

「まだ中学生なんだし友達として付き合って欲しいって俺が言ったんだぞ。その後も、なにもしてないよ俺は……」

「えっ? どういうこと? 彼女も嘘を言ってたってこと?」

「ハメラレたんだ。俺たち……」

「なんでそこで俺たちになるのよ」

「先輩とマドンナ、生徒会で一緒だったよな」

「えっ? あぁ、そうね。確かそうよ」

「俺が優華のこと好きだって知ってて、二人で邪魔したんだ」

「あのねぇ。私、悠介のこと好きだなんて一言も言ってないわよ」

「言わなかったけど、もしかして俺を好きだったとか? もう疾っくの昔に時効だから言えよ」

「ちょっと待って。家のマンション通り過ぎてる……」

「まだ早いから、もうちょっといいだろ? ドライブ付き合え」

「…………」
 なんで付き合わなきゃいけないのよと内心思ったけど……。

 車は公園の駐車場に入って行って悠介は車を止めた。

「なに?」

「話するくらい、いいだろ? 同級生なんだし。まだ聞いてないよ。俺を好きだった?」

「だったらどうだって言うのよ……」

 ん? なに? 悠介にキスされてる。なんで? 逃れようとしても動けない。彼は唇を離して

「ずっと好きだった。でも言えなかった」

「ちょっと待ってよ。二十年前、好きだったからって今なんで?」

「二十年前じゃない。ずっと……。今も、お前が好きだ」


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