二十年目の初恋
痛み 14
「優華、もう終わったよ」

「本当?」
 悠介に抱きついたまま閉じていた目を開けた。

「次は本当にラブストーリーだから」

「また騙すつもりでしょう?」

「そんなことないよ」
 悠介はDVDを入れ替えた。

 始まったのは本当にラブストーリーで音楽も心地好くて、女優さんも綺麗で、セリフも素敵でラブシーンも息が出来ないくらい……。

 見終わって、ただウットリしていたら悠介に唇を塞がれた。熱いキスの後、耳元で囁く。

「次は俺たちのラブシーン」
 そう言われ悠介に抱き上げられた。ベッドに優しく降ろされ

「優華、嫌なことは、みんな忘れて、これからのことを考えよう。優華と俺が一番幸せになる方法を。俺は優華を傷付けるようなことはしないから、信じて」

「信じていいの?」

「決まってるだろう。二十年も優華を放っておいた俺が悪かった。優華の気持ちも知らないで、ごめんな。俺、物凄く後悔してるけど、終わったことはどうしようもないから。だから、これから先の俺たちのことを二人で考えよう」

「悠介、ありがとう」

 彼の笑顔に救われた気がして初めて私からキスした。
 元々、悠介のワイシャツしか身に着けていない私はすぐに裸にされた。

「綺麗だよ……」

「悠介……」

「何もかも忘れさせてやるから。愛してる、優華」

 悠介の腕の中で私はまた知らない場所に連れて行かれる。ずっとそこに留まって居たい所まで……。そしてそれ以上の……。

 悠介に愛され翻弄された後、彼の腕に抱かれたまま……。

「悠介、聞いてもいい? ……。ううん、やっぱりいい」

「どうした?」

「悠介は、どうしてこんなに素敵に愛してくれるんだろう……。どれだけの女の人を愛したんだろうって思ったんだけど……いい」

「言わなくていいのか?」

「いい。やっぱり聞きたくない。ヤキモチ妬きそうだもん」

「お前が思ってる程、多くないと思うよ。数じゃなくて気持ちだから」

「気持ち?」

「愛したい。一つになりたい。悦び合いたい。そういう気持ち……」


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