二十年目の初恋
愛される資格 8
「悠介、今からスーパーに行きたいんだけど」

「そうだな。冷蔵庫に入ってる物は、優華がここから持って行った物だけだよな」

「ビール以外はね。明日、仕事帰りに買い物に行けるかどうか分からないから、きょう色々と買っておきたいの」

「了解。あぁでも無理しなくていいよ。引っ越しが全部終わるまでは落ち着かないだろ ? 別に明日から食事作ってくれなんて言わないから」

「うん。ありがとう。あっ朝は? 今までどうしてたの?」

「出勤途中にコンビニに寄ってデスクで食べてた」

「そうなの。家の大学でも多いけどね。奥さん居るはずなのにコンビニって人。大学の中にもコンビニは二店舗あるし、朝から営業してる学食もあるから」

「さぁ、じゃあスーパーに寄って帰るか?」

「うん」

 前にも行った大型店で、これだけあればとりあえず何か出来るという量の食料品を買い出しした。二人なら一週間は食べて行ける。

「すごい量だね」

 悠介は驚いていたようだった。

「冷凍庫のスペースが広かったから冷凍保存するの。毎日、買い物しなくても大丈夫なようにね」

「さすが、料理上手は違うね。楽しみになって来たよ」

 悠介のマンションに戻って買ってきた物を冷蔵庫、冷凍庫、常温保存、それぞれの場所に片付けて。

「さぁ、汗、流すぞ」

「うん。一緒に?」

「決まってるだろう。これからもずっとお風呂は一緒って決めておこう」

「でもどっちかが早く帰っても汗かいたまま待ってるの?」

「これから暑くなるし特例は認めるけど。はい。きょうは一緒に入れるよ」

 二人で一緒にシャワーを浴びて、さっぱり。

「優華、ビールは?」

「きょうはいい。なんか疲れたな……」

「アイスクリームは? 甘いものは疲れが取れるんだろう?」

「そうね。パイント抱えて食べよう」
 大きなスプーンで、すくって食べた。美味しい。かなり食べたけど残りはまた明日食べよう。冷凍庫に片付けた。

「優華、バニラの匂いがするよ」

 ソファーで隣りに座ってる悠介がバニラの匂いの唇に、そっとキスした。

「明日、大丈夫か? 大学」

「理事長のこと?」

「うん。心配なんだけど……」

「もしも首になってたら悠介に食べさせて貰うから」

「それは構わないけど」
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