危険だって、いいじゃない!
「おじゃましまーす!」
元気の良すぎる挨拶があまりにも彼らしくつい笑ってしまった。
「なんだよ!笑うこたーねぇじゃんかよ!!」
そう少し恥ずかしそうに頬を赤らめた表情でこちらを見てきた。
僕はびっくりした。彼もこんな表情をするのか、と。
でも、こんな表情を知らない僕は不思議ではない。今日あったばかりなのだから。
それでも、何故か落ち着かず変な顔になってしまっていた。
「ここ僕一人だから適当でいいよ。」
そう言って僕の部屋へ案内した。
「わ、英太ってプラガン好きなのか?」
「え?」
急に聞かれたので上手く返せない。
「あ、ああ。うん。好きだよ。」
「いっぱいあんのな。」
言いながら彼は僕の部屋に飾られた沢山のプラモデルガンを見回した。沢山と言っても34個程度しかない。
「俺銃とかよくわかんないけどこれかっこいい。」
「ああ、それはねアサルトライフル(assault rifle)89式の5.56mmだよ。僕お気に入りなんだ。
なんて言ったって実用的だし、全自動射撃能力を持っていて中間弾薬を使うとそれが簡単になるんだよ!でも、フルサイズ弾だと全自動射撃には向いていないんだ。なんでもね
「ちょ、ちょ!ストップ!!」
「どうしたの?」
「いや、ごめん。分かんないわ。」
「もっかい話す??」
「いや、大丈夫だよ!!」
なんかしただろうか?
彼が話を止める理由がよく分からなかった。
「ごめん。俺家遠いからもう帰るね。」
「うーん。わかった。またいつでもおいでよ」
「う、うん。」
よくわからないまま、彼との別れを告げたのだった。
< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop