強引同期が甘く豹変しました


規則的に鳴るコピー機の機械音。
ぼんやりとそれを聞いていると、ふと背後に気配を感じて私は思わず振り返った。


「な…なに?」


振り返ると、後ろには矢沢がいた。



「別に」

「あ、急いでる?」

「ん、別に急いではない」


じゃあ何なんだ、と心の中の私が言う。


「終わったら持ってくけど」

「や、ヒマだし待ってる」


ヒマってなんだ。
じゃあコピーくらい自分でせんかい、なんて言いそうになったけれど。

何故だろう。
なんか、いつものようにツッコめるほどの調子がでない。


< 105 / 202 >

この作品をシェア

pagetop