強引同期が甘く豹変しました
「でもさー、うちの親にはそういうの全く意味なかったっていうか。B.Cに入ろうが、バリバリ働いていようが、そんなの全然関係なかったみたいで」
言いながら、小さくため息をついた。
忘れもしない、25歳の盆休み。
「役場でそんな政策に関わってるせいもあってか…言われたんだよね。仕事よりも早く結婚して家庭に入れって。25の時に」
でも、そんな簡単に会社を辞めて結婚、なんてすんなり考えられなかった。
仕事もそれなりに楽しめるようになってきていたし、後輩の教育係だって任されるようにもなってたし。
それに…当時は結婚を考えられるような相手もいなかった。
うまく逃げるしか、なかった。
「だから付き合ってる人もいないからって。結婚なんて出来るわけないじゃんって。その話からは逃げようとしたんだけど」
その途端、言われてしまったのだ。
「じゃあ、期限を決める」と。
「で、五年待ってやるって。五年もあれば時間はたっぷりあるだろって。30までに結婚。それが約束の期限だって」
当時を思い出しながら話していると、また小さなため息が出た。
あの頃は思ってた。
五年なんて余裕じゃんって。
五年もあれば、絶対に結婚してるって。
長いと思っていた。
五年という月日は、とても長いものだと思っていた。
でも、時間なんてあっという間に過ぎ去っていた。
長いと思っていたはずの五年は、思っていたよりもずっと早く…過ぎてしまっていたんだ。