天使のメガネ
帰宅し、間だ夢見がちのまま部屋に入る。
すんごい疲れた……。
あれから私とアルスは、ずっと手を握ったままだった。
家の玄関までずっと。
私のポケットに、アルスの手をしまって
うつ向きながら話をして
顔なんて、人が見たらびっくりするほど真っ赤だったんだろう。
アルスは部屋に戻るなり、ベッドに倒れ込み、寝息をたて始めた。
やっぱり疲れていたのかな?
不思議とアルスの寝顔を魅入ってしまう。
今日彼と話したことや、交わした言葉、彼の表情、その全てが頭を駆け巡る。
少しずつ、
私は彼を意識している。
天使のメガネを掛けていないと、
見る事も触れる事も出来ない彼に、
惹かれている私が居た。