天使のメガネ



帰宅し、間だ夢見がちのまま部屋に入る。


すんごい疲れた……。



あれから私とアルスは、ずっと手を握ったままだった。

家の玄関までずっと。


私のポケットに、アルスの手をしまって
うつ向きながら話をして
顔なんて、人が見たらびっくりするほど真っ赤だったんだろう。


アルスは部屋に戻るなり、ベッドに倒れ込み、寝息をたて始めた。



やっぱり疲れていたのかな?


不思議とアルスの寝顔を魅入ってしまう。


今日彼と話したことや、交わした言葉、彼の表情、その全てが頭を駆け巡る。



少しずつ、

私は彼を意識している。

天使のメガネを掛けていないと、
見る事も触れる事も出来ない彼に、

惹かれている私が居た。

< 71 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop