Under the ROSE
筆頭貴族であったハルミン家の嫡子、リュードが皇太子を暗殺という事件は瞬く間に世間に知れることなり、ハルミン家はすぐさま取り潰しとなった。

獄中で無罪を主張した彼だったが、目撃者が皇女ということもあり、誰もリュードの言葉を信じる者はいなかった。

何より、愛する婚約者を涙ながらに弾劾するセリスの姿が民衆の心を釘付けにした。

これまで儚げな皇女を演じてきた甲斐があったというものだ。

美しい容姿も手伝って、誰もがセリスに同情し、彼女の言葉を信じた。


そうしてリュードの件が一段落したところで、セリスはカテリーナ妃殿下のもとを訪れた。

ただ向かい合って座っていても、妃殿下の動揺は手に取るように分かった。

「アルフォンス殿下は、亡くなる前に全てをお話くださいました」

ピクリ、と妃殿下の眉が上がる。

「レゼッタ様も、何もかもをお話くださいました」

「……それで?」

少し苛立ったように妃殿下は低い声で言う。

「私が皇位を継いでも、良いですね?」

「駄目だと言ったらどうするの」

「全てを明るみにするだけです」

妃殿下はギリ、と唇を噛んでセリスを睨み付けた。
< 36 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop