Under the ROSE
セリスとリュードは互いに“鍵”を欲する、ある意味共謀者。

しかしさすがのリュードも、セリス自身が玉座を狙っているなどとは思っていないだろう。

彼の前でのセリスは、その出自から何年も幽閉され、誰からも愛される事のなかった憐れな姫だ。

初めて愛してくれたリュードに恋焦がれる、かわいらしい、馬鹿な女だ。


その時まで、騙され続けてやろう。

アルフォンス殺害の罪をきせ、無事、玉座を手に入れるその日まで。


──その時まで、この身はお前のものだ。


だから存分に護るがいい。

大切な“鍵”である、偽りの恋人を。



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