マタアソボウネ
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「聖司大丈夫かっ!?」
「麗神か!?助けてくれっ!!」
「レイカ?誰……ソレ?巻き込んじゃえ!!」
「きゃあ!」
私らしい声では有り得ないようなかん高い声で叫んでしまった。
「離せ!こんにゃろ!」
私の足をつかんでくる謎の手に抵抗をした。だが、全く効かない。
「呪子いい加減にしろ!!麗神まで巻き込むな!!」
「呪子?……っ!!」
私は気が付いた。聖司は呪子さんと繋がっていて、呪子さんは聖司と一緒に死の間に行きたい事を。そして、私はオマケ……被害者当然。
「ワタシヒトリ嫌。フタリイレバイイ。」
「そんな事をして闇夜に連れていき殺したのは誰だ!?お前だ!」
「ツマラナカッタカラ殺シタ。」
「呪子っ……。」
「ごめん。聖司……私……役に立たないね。しかも目が霞んできた………。」
「麗神!?クソッ。」
聖司と私の体が謎の手で包まれていく中聖司は私の腕を必死に掴んできた。
「聖司……?」
「気をしっかりもて!!持たなければ死ぬぞ!」
『死ぬ』と言う言葉を聞き噂話を思い出し、必死で目を開いた。
「死んで溜まるかっ!」
「呪子離せ!!」
「ハナサナイ。ハナシタラニゲチャウ!!」
「チッ……。」
「……聖司?」
「目が霞んできやがった……。決着を着けさせてもらう……。呪符。霊冥異界遮断……一時的死界へと封じさせてもらうっ!」
「霊冥異界遮断……?聞き覚えが……」
「ッ!?お兄ちゃん……なんで?レイカ……助けて……。」
「私には無理な話しだ。」
「!?……なんで?……お兄ちゃん。どうしてこんな事スルの?」
「呪子……お前が俺等を殺そうとしたからだ。いい加減に室山一族と永山一族を巻き込むな。」
「……。次こそっ次こそは、聖司君と麗神を貰う……。」
そう言って呪子の体は滅び風で流されていった。
「……呪子は麗神に興味を示していた……。」
「は?なんで私が」
「それはこの世では、永山一族と室山一族にしか呪子は見えないんだ。なのに、麗神には見えたからだ。」
「……。」
「それに呪符の霊冥異界遮断を知っていた。」
「なんか聞き覚えがあるんだ。」
「この呪符は永山一族と室山一族にしかない物だ。麗神が接触していない限り知らないはずだ。だが、知っていた。接触しているんだ。俺はこれを使うのは2度目だし麗神の記憶が曖昧だと俺じゃない……。」
「……。」
「なぁ、俺の家に来てくれ……」
「は?」
「叔母が知っていると思う。なんで麗神に呪子が見えたのか……。知りたくないのか。」
「そうでもないけど……。んじゃあ、交渉だ。」
「来てくれるなら……」
「永山と室山の事。呪子の事教えてくれ」
「外部に漏らすなと言われているがまあ、叔母に頼み込むか。」
「それだけ私を家に呼びたいのか……」
「そういう訳じゃない。」
「あっそう。なら行くぞ。ほら」
「あ、ああ。」
「あ!」
「な、なに!?」
「奏歌に待っててって言ったままだ……」
「俺はここにいるから言ってこい。」
「すまんな。」
私は、奏歌の待つ公園のブランコに走って戻った。

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「あ、戻ってきた。おかえり〜」
「ごめん。奏歌……」
「え?」
「室山と永山の事教えてくれそうなんだ」
「ほ、ほんと!?」
「ああ。だが、私だけみたいなんだ」
「そうなんだ。」
「教えてもらったら話すよ。」
「でも……」
「お願いすれば分かってくれるさ。」
「んじゃあ、私待ってるね!教えてくれるの!!」
「ああ。」
「じゃあ私、先帰るね」
「何かとすまんな。」
「いいよっ。明日ね!!」
と、走って帰る奏歌をずっと手を振った。そして、姿が見えなくなったから聖司の元に戻ることにした。

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「もういいのか?」
「ああ。」
「では行こうか」
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「林の中にあるとは……」
「まあな。」
「ここか。」
「そうだ。」
と、言うと聖司はチャイムを2回ならした。
「……聖司戻ったのかい?」
「ああ。今日は少し聞きたい事あんだけど。」
「聖司にしては珍しいのぉ。まあ、いいぞ。その娘は?」
「言いにくい。」
「そうかそうか。まあ、入りなさんな。」
「このババア勘違いしてるぞ……。」
「え。面倒事じゃないよな。」
「保証は出来ない……」
と、ドアを開けた。
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