強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】
「もしかしてこれが、テロリストたちに狙われているの?」
聞くと、悠はふるふると首を振った。
「それはこいつらを取り調べなきゃわからない。しかも、そのネックレスは霧子と八乙女さんの婚約には関係ないし……篠田さんのとこに来たメールと内容があわない」
そういえば、篤志さんとの婚約を取りやめろというメールが警察に届いたんだっけ。
たしかに、藤沢家と八乙女家の婚約破棄と、このネックレスは関係がない。
「もし、霧子が嫌じゃなければ……それ、預かれないかな」
「このネックレスを?」
「篠田さんに頼んで鑑定してもらうか、新城さんに見てもらうかすれば、なにかわかるかもしれないから」
鑑定はわかるけど……。
「新城さんって、宝石に詳しいの?」
そう言うと、悠は苦笑した。
「ううん。まあ、新城さんにも特技みたいなものがあって……それはまた、ゆっくり話すよ」
ええ、なんだろう。気になる。
悠が動物の気持ちがわかるように、新城さんは鉱物の気持ちがわかる……んなわけないか。