強面勘違い年下男と見た目詐欺なアラフォー女
しょっぱい事思い出した。

ちろりと横を見れば、滋さんは何とか復活している。涙目だが。

『おい閣下。もう話を聞いてくれてもいいんじゃないですかぁ?』

『あー笑った笑った♪お前のお陰で向こう十年分の表情筋を使わせて貰ったよ。
て、閣下って。
何でお前が知ってるんだ?』

『色々と事情があって。それよりも、私の相談っ!!』

『ああ、愛人疑惑』

『お母さんに言ってやる、叔父さんが閣下って呼ばれている事を』

『いや止めてくれ、解った茶化さない。
というよりもソイツ、なんでお前と付き合いたいのかとか考えなかったのか』

『……』

『普通に考えて、お前の事が好きなんじゃないのか?』

『ありえない』

『断言か。なんでだ?』

『どう考えても接点がない。
仕事のフォローに入った事が少しくらいだし。
仕事が出来る事務として好きになったってそんなんは付き合うと違うし』

『接点なんかなくたって男なんて女性のふとした事で好きになるもんだぞ?』
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