強面勘違い年下男と見た目詐欺なアラフォー女
私が勤めている会社は中小企業というよりも零細企業というのが相応しい、小さい会社。

よくある『町の会社』といった感じのもので、営業社員と事務員を足しても10人にも満たない。

事務も私ともう2人だけ。

テレビのドラマでよくでてくる『大きなオフィスビル』の『ワンフロア』で忙しく働いているのなんて、夢のまた夢。

私の舞台はワンフロア(20畳+簡易キッチン付)。

所詮はブラウン管の向こう側の世界の話というしょっぱい現実です。

そんな私も何処にでもいる事務員さん。

しかも四捨五入で35歳にしがみつけないアラフォー。

見た目も中身も普通のありふれたアラフォーです。

この会社に入社してから10年経つもんなぁ。

入社した時はまだギリ20代だったのになぁ。

ああ、しょっぱい。

私は大学進学はせずに高校卒業後、直ぐに就職をしたクチ。

でその後は良くある転職をしてちょっと勤めて転職といった感じで今の会社に流れ着きましたとさ。

それでも気付けば事務でも古株。

今いる男性営業さんの何人かよりも先輩になる。

毎日、平々凡々ではあるけれども何とか満喫しております。

それに『古株』って言葉、結構好きなんだよね。

ちょっとした会社の歴史の流れを見てきましたって感じもするし

何かあれば直ぐにフォローに回れる判断も付くようになってるし。

後藤君との接点もそんな小さなフォローがキッカケだった。
< 2 / 73 >

この作品をシェア

pagetop