強面勘違い年下男と見た目詐欺なアラフォー女
『芙未、そろそろ時間だろう?送っていこう』

『は!??』

『危ないから送ろうという事はおかしい事か?』

面白がりやがってぇぇぇぇぇぇ。

見ろ!!!

後藤君の不動明王の如き顔を!!!

青筋を立ててメラメラ燃えてる!!!

怖い!!!

これがみんなが怯えていた怖いなのか!!!

『ご、後藤さん。その、』

『なんですか?緒川さん』

『……あの、滋さん。後藤さんに途中まで送って貰います』

『解った。気をつけて帰りなさい』

ウィンクすんな閣下。

あのまま滋さんに送って貰って、といっても近くでタクシーを拾って押し込まれて家に帰るってだけなんだが、明日の私の命が危ういと思った。

怒れる後藤君を置いて

それじゃーねー、とは私のちっさい心臓には耐えきれません。

『良かったんすか、アノ人に送って貰わなくて』

『え?あ、ああ。どうせ近くでタクシーを呼んで詰め込まれるだけだし。大袈裟に送るよなんて言ってもいつもそうだから』

『へーえ、いつもそうなんすか』

『ご、ご、後藤さんっ、ほら!!人の邪魔になりますから歩きましょう歩きましょう!!!』
< 22 / 73 >

この作品をシェア

pagetop