強面勘違い年下男と見た目詐欺なアラフォー女
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『あれー?緒川さん、今日は蜂蜜入れないんですか?』

AM8:00は決まって事務3人でお茶をする。

始業前の女子会だ。

お茶場がないから簡易キッチン女子3人で満席状態。

男性社員が来る前に色々と愚痴りたい事もあったりする訳で、女子3人は早く出勤するのが当たり前となったとさ。

昨日欠勤した人見さんも今日は出勤してるから、事務3人で楽しく朝の女子会女子会。

って

『へっ?わ!うわわわわわわわ~…やっちまったな……仕方ない、お砂糖入れるとしよう』


『上の空っぽかったですけど、どうかしました?』

『あーいや、そのーなんか今日はエンジンのかかりが悪くてねー』

『ぶっ、緒川さんっていつも言葉のチョイスおもしろいわよね』

『それ私も思ってました~。
入社したばっかりの時に、資料データが重くて中々プリントアウト出来なかった事があったんですよ。
で、社長が資料はまだかー?って言ったら緒川さん、ちょっとパソコンの機嫌が悪いみたいなんです、って』

『そうそう。そういう言葉のチョイスするわ緒川さん』

『えーっと、まあしますね』

『で、ソレ聞いた時この人可愛い子ぶってる人だーイヤだな~って思ったんですよ。
でも、次の日出勤してきたら緒川さんが『葉っぱなしの大根いらない?』って言ってきて、私の中のイヤだな~がガラガラガラーって崩れたんです』

『え、私のイメージのナニかが崩壊したの?』

『良い意味でです!!
気取って可愛い子ぶってる人って勝手にイメージしてたんで。
で、で、その大根も無人野菜売り場で購入したーとか葉っぱだけが欲しかったからーとか言い出して、私ポカーンでした』

『ええええー?』

『緒川さん見た目が、ね?』

『そうなんです!!
見た目が、こうピシッとしててな感じ?
でもってそこはかとない色気もあるし。
だからなんか近寄りがたくて、きっと色々自慢話とかするんだろうなーとか、私は充実した毎日をこんなにも送っているのよー的な事言う人って思いこんでました。
ごめんなさい』

『いやいや時効でしょ、というよりもなにそのカッコイイ感じ!!!
そう思ってて欲しかったかよ!!』

『思ってて欲しかったんだ?』

『格好良くありません?今の』

『典型的に嫌な女じゃない』

『えええー』

『緒川さんってあんまり自分を評価してない所ありますもんねー』

『木田ちゃんよく言った』

なんだろう。

昨日から袋だたきにあってるぞ。

『あー、ソレ。昨日も言われました。知り合い(ゴメン後藤君)とコーヒー飲んでて、私はあまり自分を知ってないって』

『おおお!!!よくぞ言ってくれました』

言ったのはみんなが怖がっているアノ後藤君だぞ。
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