I love youを日本語に
そうして1週間が経った。
今日は2学期の終業式。
トシはまだ学校を休んでいる。
インフルって2、3日で熱が下がって、その3日後くらいにはもう外に出てもよくなるんだっけ?
ってことは今日は学校へ行くんだろうか。
一応毎日カーテンを開けてみるけど、トシの部屋のカーテンはピッタリと閉まっていて。
部屋にいるかどうかさえも分からない。
「お母さん、トシは?」
「まだ来てないわよ」
いつもの時間。
トシはやっぱり来ない。
連絡もない。
「いってきます」
これまで1週間もトシの顔を見なかったことなんて1度もない。
トシ。
見飽きるくらいにトシの顔なんて見てきたけど、
さすがに1週間も顔見てないとトシの顔、忘れちゃうんだけど。
そんなことを思いながら、トシの家のインターフォンを押した。
「おはよう、ユウちゃん」
でも、出てきたのはやっぱりトシのお母さん。
「トシ、そんなに体調良くないんですか?」
そう聞くと、おばさんは困ったように眉尻を下げる。
「うん…そうね。
でも今日は学校へ行くの。
だけど先行ってて、って。」
「わたし…待ちます」
そう言うとおばさんはもっと困った顔をして。
「…やっぱり、先行きます」
「ごめんね、ユウちゃん」
わたしはおばさんに背を向け、自転車に乗った。
なんなんだ、あのおばさんの顔は。
それにトシだって。
学校に行けるくらい体調が良くなったなら連絡くれればいいのに。
少しトシにイライラしながら学校へ向かった。