I love youを日本語に
あの日のことを思い返すと今でも後悔する。
もっといい方法はなかったんだろうか、って。
ナオくんをもっと傷つけずに済む方法があったんじゃないか、って。
高校1年のわたしは未熟で。
そんな未熟なわたしを好きだと言ってくれた人を裏切って、傷つけて。
最低すぎて、イヤになる。
美帆にこの話をした時のあの目をわたしは忘れない。
「ありえない」
そう言いながらわたしを最高に蔑んだ目で見ていた。
でも、そのあとふっと表情を柔らかくして、
「まあでも頑張ったんじゃない、ユウの割には」
そう言ってポンポンと肩を優しく叩いて。
その表情と手の温かさに、
「みほぉぉぉおおぉおー」
泣きながら思い切り甘えた。
どれだけ思ったか分からない。
トシなんかじゃなく、
ナオくんを好きになれたら、と。
でも変えられなかった。
優しさも
カッコ良さも
何を比べてもナオくんに劣ってしかいないトシを好きだということを変えることはできなかった。