I love youを日本語に
牛丼屋さんを出て、
夜道を並んで歩く。
ふと、懐かしい感覚にとらわれる。
「久々だな」
「え?」
「こうしてユウと一緒に帰るの。」
トシも同じように思い出していたんだろう。
小中高と登下校を共にしていたあの日々を。
ただ同じ思い出を同じタイミングで思い出した。
ただ、それだけのに、どうしてこんなに温かい気持ちになるんだろう。
「なあ、ユウ。
お前、あの時…【ヴーヴーヴー】
「あ、ごめん。」
スマホが震えた。
それによってトシの言葉が中断する。
「いや、なんでもない。」
なぜかトシは顔を背けた。
なんだったんだろう。
そう思いながらもスマホを確認した。
「…あ」
「ん?」
「いや、」
「なんだよ」
スマホの画面に表示された、その名前。
懐かしさと罪悪感とがムクムクとわたしの心を支配する。
「直斗先輩から連絡、きた。」