I love youを日本語に
「高校に入ってさ、初めてレギュラーになったじゃん?」
「ほんと、おめでとうございます!
わたし、自分のことみたいに嬉しかったんです!」
中学から先輩のことを知っていて。
誰よりも遅くまで残って練習をしている姿を何度見ただろう。
それを遠くから眺めることしかできない自分を、
それを遠くから眺めて応援することしかできない自分を、恨んだ。
だから、今日先輩の名前が呼ばれたとき、本当に嬉しかったんだ。
「ありがとな。
俺はたぶん、お前に支えられてたんだ」
「え?」
わたしに?
わたし、何もしてないよ?
「俺はお前にいいところを見せたかった。」
え?なんでわたしなんかに?
先輩が足を止めて、わたしの目を真っ直ぐに見つめる。
「レギュラーになれたら俺、お前に告白しようって決めてたんだ」
車がわたしたちの横を走り去っていく。
心臓がドキドキとうるさく鳴っていた。
「俺、中学のときからずっとお前のことが好きだった。
これから先、誰よりも近くで応援していてほしい。」
何度も頭の中で繰り返される、先輩の言葉。
「柴田。
俺と、付き合ってください」