I love youを日本語に






「昨日ね、ずっと考えてたんだよ。

わたしはトシになんて言ってほしかったんだろう、って」


「うん」


「でもね、分かんなかった。

考えても考えても分かんなかった」


「…そっか」


「でもね、」


顔を上げてトシのほうを向く。



「先輩への返事はちゃんと、自分で答え出せたよ」


「うん」


「わたし、先輩と付き合うことにした」


歩行者信号が点滅して、赤に変わる。



「…おめでとう」


トシがわたしの目を真っ直ぐに見てそう言った。



「お似合いだと思う。

ユウと、先輩」



「うん、ありがとう」


信号が青に変わる。


ねえ、トシ。

なにを考えてるの?

どうして笑ってくれないの?


分かってるんでしょ?

わたしが美帆に頼ったこと。


いつもみたいに言ってよ。


「どーせ美帆ちゃんに背中押してもらったんだろ」

って。


なんで、お似合いだよ、なんて言うの?

今のは

「先輩とユウ、月とスッポンじゃん」

って言うところじゃない。


ねえ、トシ。

わたしはトシみたいに鋭くないから。

だから言ってくれなきゃ分かんないよ…っ!!








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