俺に溺れとけよ
私が駆け寄ると、紡は私を思いっきり抱きしめる。

まだ体や水着が若干濡れている紡だけど、そんな事全く気にならなくて私も紡を抱きしめ返した。





「やったね、紡!おめでとう!」

「ありがと。お前のお守りのおかげだよ」

「ううん…紡が頑張ったからだよ」


じわっと滲む涙…

本当に嬉しい時はこんなふうな涙が出るんだね…





「うわぁ…大胆だね」

「俺には到底出来ないな」

「蒼井先輩かっこいいっす!」


勢いで抱き合ってしまったが、今の状況をハッと思い出した私達はすぐに離れる。


健くんと川崎くんと後輩くんは私達を恥ずかしそうに見つめ、通り過ぎる他の学校の生徒達もクスクスと笑っていた。


思いっきり2人の世界に入り込んでたよ…

恥ずかしい…






「紡ってこういう事するタイプなんだね♪意外だな~」

「う、うるせーよ!」


川崎くんに怒る紡を見て、私は恥ずかしがりながら笑い健くんは一安心したようだった。


その後開会式が行われ、うちの学校は個人戦で2つ、リレーで1つ賞をもらうことが出来て顧問の先生は泣きながら私達を褒めてくれた。







「紡~お前本当にすごい!お兄ちゃんは嬉しい!!」

「やめろ」


表彰式が終わりバスが来るまでロビーでたむろしていると、紡が務さんにハグされて嫌がっている。

皆大会が終わってリラックスモードで、ほんわかとした雰囲気が漂っていた…

しかし…






「蒼井、てめえ」

「陸!?」


突然陸が現れて、紡に殴りかかってきたのだ。

紡は瞬時に避けて殴られる事はなかったが、楽しい雰囲気は一気に険悪になった。
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