俺に溺れとけよ
最後の最後

勝負の行方

夏休みが終わり、二学期になると学校ではピリピリとした空気が漂い始めていた。





「今日は進路面談があるから、名前が呼ばれた者は放課後残るように」


担任の口からは毎日のように「進路」という言葉ばかり目立つ。


三年生は進路に向けてそれぞれ忙しい。

しかし紡と陸の勝負を残している私達水泳部は、まだ部活気分が抜けきれていないでいた。






「凪は進路どうするの?」


昼休み。

久しぶりに凪と2人きりになり、私は気になっていた事を聞いてみる。






「私は地元の短大に行こうと思ってるよ。保育士になりたいんだ」

「え…」


そうなんだ…

あんなに部活のことのめり込みながら、ちゃんと進路のことも考えてたなんてさすがだな。





「美海は?」

「え!私はまだ…」


全く考えてません。




「まあ、そんな人もいっぱいいるから大丈夫だよ。とりあえずバイトして~なんて生徒もいるらしいし」

「健くんや川崎くんはどうするのかな」

「健は地元の大学進んで水泳やるって。涼もそんなこと言ってたな」

「ふーん…」
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