隣り合わせ
結局、今日は麻衣の姿はなかった。


帰ったら、バイトだ!


また、この町でいつも通り図書館とバイトの往復が始まったんだなっ。


お袋の手料理がやけに、欲しくなる。


アパート近くのコンビニで、晩飯を買い、荷物を籠に入れた時だった。


―――――原田さん?



道路の向かい側を、ゆっくり歩く姿。


だけど……。


彼女は、黒い喪服姿を見に纏い最初にあった時の…あの淋しい目をしていた。



久々の再会だったけど、俺は、声を掛ける事を始めて、怖いと思った。


喪服姿…?


ただ、原田さんがゆっくりと、見えなくなるまで足が動けなかった。


知らない間に、時が流れていたんだ。
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