きみが望めば
窓のほうを向いてこちらを見ないラファ。
「予行練習だ。さっきはだめだったんだろ?その甘い香りで誘え、すぐ落とせるだろ。」

「れ、練習?!」
「そう、王子さまはお前に一目惚れしてるようだから、香りも要らないんじゃないかと思うが。念のため、たっぷりつけておけ。」
香水の小瓶がくるっとこちらへ放って寄こされた。

その横顔は、初めて会ったときのラファのように微笑みもない顔に見えた。

優しいソラとは違う。今のは、、頭を撫でてくれたのも、抱きしめてくれたのも、演技だったの?ハッピーエンドのための、、練習?

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