秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
「そんなので良いのかな?」

「……良いんだよ。
俺達の結婚に親は関係ない。」

「瑠威は良くてもママが可哀想だよ!」

瑠威の言葉にイラッと来て、私はちょっと大きな声を出してしまってた。



「瑠威はそれでいいかもしれないけど、ママはどうなるの?
ただでさえ年上だとか子供がいることで肩身が狭いのに、瑠威が勝手に結婚なんかしたら、ご両親にママが瑠威をそそのかしたって思われるかもしれないよ。」

「……親がどう思うかなんて関係ない。」

小さな声で瑠威がぼそっと呟く。



「そんなのママが可哀想だよ。
瑠威はママのこともっと考えるべきだよ!」

私が感情的な声を出したせいか、瑠威は何も言わずにリビングから出て行った。



(瑠威の馬鹿……)



年が五つしか離れてないとかそういうことじゃなくて…
こんな調子じゃ、とてもパパだなんて思えないよ。
瑠威は私が思ってるよりもずっと子供かもしれない。
いやなことからは目を逸らして生きようとしてる人なんて信頼できないよ。



やっぱり、ママとは長続きしないだろうなって…この時、つくづく感じてしまった。
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