秘密のカレはV(ヴィジュアル)系



瑠威は結婚式のことを気にしているようだった。
だけど、キャンセルするとお金を取られるし、最初から使わないとわかってるんだから、私はなんとか話をはぐらかした。
そのことで、瑠威と少し険悪なムードにもなったけど、それは仕方のないこと。



あの日以来、何度かのミーティングがあった。
話し合いはずいぶん煮詰まって来たってことだから、契約の日は近いはずだ。



毎日が落ち着かない。
不安で、心配でたまらない…



死刑の宣告を待つ囚人にでもなったような気分だ。
待つのが怖い…怖くてたまらない…
いつ来るかわからないその日を震えて待つのが、いつしか私にはもう耐えられなくなっていた。



もう早くに済ませてしまおう。
こんなに辛い毎日はもうごめんだ…
すべてにピリオドを打とう…



私はついに自分から行動を起こすことを決めた。


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