秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
「何がおかしいの?」

「え…?だって……」

瑠威の顔がだんだん険しくなっていく…



「俺みたいなのはタイプじゃないってこと?」

「え……?瑠威……何言ってんの?」

「だから、聞いてるんだよ。
俺はタイプじゃないのかって!」

「る…瑠威…本気で言ってるの?」

「本気に決まってるだろ。」

瑠威のまっすぐな瞳…それがまぶしすぎて見つめ返すことも出来ずに、私はそっと俯いた。 



「かおり……俺のこと、嫌いか?」

「瑠威…何言ってんの?
私がいくつだか知ってる?
あんたより、ずっと年上なんだよ。」

「そんなこと、今更言われなくたって知ってるよ。
だから何?」

「何って……
あんたは若いんだし、モテるんだから、何も私なんか…」

「俺はかおりがいいんだ!」

腕をぐいと掴まれて、引き寄せられたと思ったら、瑠威の唇が覆いかぶさって来て…



彼の頬は冷たかったけど…唇は温かかった……


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