秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
それからは、嘘のように気持ちが吹っ切れた。
かおりとの年の差も、子供がいることも少しも気にならなくなった。
彼女と結婚して、これからはかおりと一緒に子供を育てていこう。
そんなことを思い描くようになった。



かおりの誕生日…俺はかおりに告白することを決めた。
たとえ断られても、俺は何度でもチャレンジするつもりだった。
だって、俺はそのくらいかおりのことが好きでたまらなかったから。
赤いバラの花束を抱えて、俺は駅前の広場でかおりを待った。
柄にもなく緊張して、胸がドキドキした。
告白くらいでこんなに緊張したのは後にも先にも初めてのことだった。



かおりの姿を認め、俺はさらに鼓動が速くなるのを感じた。



「……おめでとう。」

そう言って花束を手渡した。
声が震えそうになるのを必死に堪えたっけ…



「……あ、ありがとう。」

かおりは戸惑ったような…だけど、嬉しそうな顔をして花束を受け取ってくれた。



「かおりさん……俺と付き合ってくれないか?」

その短い言葉を口にするのに、俺は精いっぱいの勇気を振り絞った。
どうか、かおりが良い返事をくれますようにと、ひたすら祈った。
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